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単純計算課題ソフトウェア


計算作業で疲労をはかる

一桁の足し算を「なるべく速く、正確に」
連続5分間行う
回答の一桁をテンキーで入力するだけ

計算にかかる情報処理速度である反応時間と、その計算するペースのばらつきに発生するムラや反応時間の推移は、集中力の維持レベルを見ることができます。これ等の基準値を研究より算定し、疲労性を見出すソフトウェアです。疲労が問題となる臨床の現場、産業衛生や労働現場、スポーツ医学の現場等あらゆる場面でご活用ください。

四則演算のいずれかを用いてランダムに計算方法を変更できますので、ストレスや老化研究など注意力の評価等にご研究用ツールとしてもお使いいただけます。


結果出力、データ保存可能
動作環境:ノート型PC画面とテンキー
商品構成:CD-ROMとドングル

開発者:医師・医学博士 山口浩二、歯科医師・歯学博士 笹部哲也
製作・販売元:株式会社ユメディカ

計算画面,解析結果画面(先生用)

単純計算課題について

大阪市立大学医学部附属病院 疲労クリニカルセンター
医 師・医学博士 山口浩二
歯科医師・歯学博士 笹部哲也

現在、社会においては、疲労を訴える人は多い。「疲労」は、「発熱」や「疼痛」と合わせ、生体三大アラームと考えられている。発熱があれば、原因となった感染症や炎症の治療を行ない、疼痛があれば、疼痛部位の安静を図り、原因となった外傷や出血の治療が行なわれる。同様に、疲労感は、身体の異常を教え、疲労の原因となった過活動から心身を休めろと教えてくれる重要な生体防御のアラームの働きを有し、生体の恒常性の維持を担っている。

1999年に旧厚生省疲労研究班(班長:木谷照夫)が名古屋地区の一般地域住民4000名を対象に疲労に関する疫学調査(有効回答数3015)を実施したが、疲労を自覚している人が59.1%おり、しかも6ケ月以上持続する慢性的な疲労を訴える人については35.8%にも上ることが明らかになった。更に、慢性的な疲労を訴える人々の半数近くが、作業能力の低下により十分に働けていないと自覚しており、一部の人は原因不明の疲労倦怠感の為、日常生活に高度の支障をきたすような筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)と呼ばれる病態に陥っていることが明らかにされた。この様な慢性疲労全体による経済損失も年約1兆2000億円に及ぶことも判明し、慢性的な疲労は医学的な観点のみならず経済損失という観点からも大きな社会問題であることが明らかにされた。

このように疲労は日常生活においても一般に広く使われている言葉であり、国民的関心事でもあるが、疲労感という主観的なものを指すのか、何がしかの生体機能の低下を指すのか、その意味は一般に暖昧であることから、これまであまり医学の研究対象になってこなかった。これは疲労を研究対象として考えた時、客観的な数値による評価が困難であったことも関係している。 これまで多くの研究者が、作業能率の低下、思考力低下や、刺激に対する反応性の低下、注意力低下や注意散漫、動作緩慢、行動量の低下、生理機能の低下等、種々の定義づけを行なってきたが、医学的な明確な定義はまだ確立されたとは言えない。疲労が種々の要因による複雑な過程の為、一義的に捉えるのが困難な為である。近年、日本疲労学会では、「疲労とは過度の肉体的および精神的活動、または疾病によって生じた独特の不快感と休養の願望を伴う身体の活動能力の減退状態である」と定義している。従って疲労を評価する為には、少なくとも「独特の不快感」である疲労感の評価と「活動能力の減退」の二面からの評価が必要になる。

疲労感の評価については、総合的全般的評価としては Visual Analogue Scale(VAS)や Face Scale と言ったものや、疲労に関連した各種症状を含めた自己申告による問診票に基づく評価が主に用いられているが、疲労感が主観的なものである以上、現状の評価法を超える確立された手法はまだない。また、加速度脈波等の自律神経機能を用いた客観的評価法で、副交感神経機能を反映する高周波帯域のパワー値から疲労を評価する手法は、疲労感とも相関があることを我々の研究グループでは明らかにしてきた。 一方、活動能力の減退については、身体活動量そのものを体に付けた加速度センサーで評価する手法や、明滅光を用いたフッリカーテスト、筋力・持久力等の身体活動能力で評価する方法が知られているが、日々の生活に直結し疲労時に問題となる思考力、集中力、注意力等については問診票を中心とした評価が中心となっている。勿論、最近はPCを利用した評価手法もいくつか開発されているが、幅広い年代に渡って、被験者の教育水準に依存せず使え、なるべく短時間で実施することが可能な非侵襲的な手法が必要とされている。

詳しくは、株式会社ユメディカまでお問い合わせください。